【独学 簿記3級 基本とコツ】家賃・保険料〜期中仕訳と決算整理仕訳〜

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簿記3級
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簿記3級でよく出題される費用と収益

特に決算整理仕訳での資産や負債への振替は、

苦手な方が多いのではないのでしょうか?

そんな方にはこの記事を読んで決算整理仕訳の必要性を理解することで苦手を克服していただければと思います

この記事で分かること
  • 家賃に関する仕訳
  • 保険料に関する仕訳
  • 費用、収益に関する決算整理仕訳
  • 決算整理仕訳の必要性
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家賃に関する仕訳

期中の仕訳

まずは家賃に関する仕訳です

期中の仕訳は難しくありませんので具体例を見ていきましょう

支払家賃

例1

事務所の家賃10万円が当座預金から引き落とされた

借方 貸方
支払家賃 100,000 当座預金 100,000
支払家賃(費用)が発生し、当座預金(資産)が減少しているので、

 

借方に支払家賃
貸方に当座預金

となります

受取家賃

例2

貸し出しているテナントの家賃10万円が当座預金に振り込まれた

借方 貸方
当座預金 100,000 受取家賃 100,000
受取家賃(収益)が発生し、当座預金(資産)が増加しているので、

 

借方に当座預金
貸方に受取家賃

となります

決算整理仕訳(家賃)

家賃に関する決算整理仕訳です

決算時に費用・収益として計上しておくべきものはあくまでも当期の費用・収益のみです

もし、期中に計上した費用・収益の中に来期のものが含まれていたり、今期分の費用や収益で支払っていないもの、受け取っていないものがある場合はそれぞれ必要な仕訳(決算整理仕訳)をする必要があります

具体的には決算整理仕訳において以下の仕訳が必要となります

費用(収益)▶︎資産(負債)への振替
  • 支払った家賃のうち来期分のものを前払家賃(資産)に振替
  • 受け取った家賃のうち来期分のものを前受家賃(負債)に振替
  • 今期分の家賃のうち支払っていないものを未払家賃(負債)として計上
  • 今期分の家賃のうち受け取っていないものを未収家賃(資産)として計上

決算整理仕訳で使用する勘定科目については以下のとおりです

前払家賃
すでに支払いは完了しているが、その対価を受け取っていないもの
前受家賃
すでに受け取りは完了しているが、その対価を提供していないもの
未払家賃
すでに対価は受け取っているが、支払いをまだしていないもの
未収家賃
すでに対価を提供しているが、支払いをまだ受けていないもの

「家賃」の部分は、場合によって「保険料」となったり、単に「費用」や「収益」となる場合があります

こちらは問題文の指示に従って使用してください

それではそれぞれの場合において決算整理仕訳の仕訳例を見てみましょう

前払家賃

まずは家賃を前払いで支払いしている場合の仕訳です

例3

3月27日
4月分の家賃10万円が当座預金から引き落とされた

借方 貸方
支払家賃 100,000 当座預金 100,000
例4

3月31日
期末日となったので3月27日の家賃の支払いについて決算整理仕訳をおこなった

借方 貸方
前払家賃 100,000 支払家賃 100,000

3月27日に家賃の支払いにより実際に当座預金が10万円減少していますがその家賃は4月、つまり来期の費用となります

よって3月27日の仕訳で発生した支払家賃は決算整理仕訳で前払家賃(資産)に振り返る必要があります

前受家賃

今度は受取側の仕訳です

例5

3月27日
4月分の家賃10万円が当座預金に振り込まれた

借方 貸方
当座預金 100,000 受取家賃 100,000
例6

3月31日
期末日となったので3月27日の家賃の受け取りについて決算整理仕訳をおこなった

借方 貸方
受取家賃 100,000 前受家賃 100,000
支払側のときと同様、3月27日に受け取った家賃は4月、つまり来期の費用となります

 

よって3月27日の受取家賃は前受家賃(負債)に振り替える必要があります

未払家賃

次に家賃を後払いしている例です

例7

3月1日
2月分の家賃10万円が当座預金から引き落とされた

借方 貸方
支払家賃 100,000 当座預金 100,000
例8

3月31日
期末日となったので3月分の家賃について決算整理仕訳をおこなった

借方 貸方
支払家賃 100,000 未払家賃 100,000
3月1日に2月分の家賃を支払っているので、3月分の家賃の支払いをするのは4月となります

 

つまり3月(当期)の費用が未払いのまま決算を迎えたということになります

この場合3月分の家賃(支払家賃)を負債(未払家賃)として計上する必要があります

未収家賃

では受取側の仕訳を見ていきましょう

例9

3月1日
2月分の家賃10万円が当座預金に振り込まれた

借方 貸方
当座預金 100,000 受取家賃 100,000
例10
3月31日

期末日となったので3月分の家賃について決算整理仕訳をおこなった

借方 貸方
未収家賃 100,000 受取家賃 100,000
3月1日に2月分の家賃を受け取っているので、3月分の家賃を受け取るのは4月となります

 

つまり3月(当期)の収益が未収のまま決算を迎えたということになります

この場合3月分の家賃(受取家賃)を資産(未収家賃)として計上する必要があります

保険料に関する仕訳

期中の仕訳

保険料の仕訳についても期中の仕訳はさほど難しくありません

さっそく具体例を見てみましょう

支払保険料

例11

保険料5,000円が当座預金から引き落とされた

借方 貸方
支払保険料 5,000 当座預金 5,000

支払保険料(費用)が発生し、当座預金(資産)が減少しているので、

借方に支払保険料(費用)
貸方に当座預金(資産)

となります

決算整理仕訳(保険料)

保険料の支払いについても当期以外のものについては決算整理仕訳が必要になります

前払保険料

例12

10月1日
新たに保険契約を締結し、契約と同時に向こう1年間の保険料6,000円を現金で支払った

借方 貸方
支払保険料 6,000 当座預金 6,000
例13

3月31日
期末日となったので支払済みの保険料について適切に決算整理仕訳をおこなった

借方 貸方
前払保険料 3,000 支払保険料 3,000

10月1日に支払った保険料は1年分の保険料です

ですので1ヶ月分の保険料は、

6,000円 ÷ 12ヶ月 = 500円

と計算できます

ここで1年分の保険料のうち4月から9月までの6ヶ月分に関しては翌期の費用となるので、決算整理仕訳において前払保険料(資産)への振替が必要となります

あくまで登当期の費用として計上するのは10月から3月の6ヶ月分のみとなります

決算整理仕訳について

決算整理仕訳の必要性

改めて、なぜ決算整理仕訳が必要なのか?を確認していきましょう

決算整理仕訳が必要な理由

当期の費用、収益を正確に計上するため

費用に関する決算整理仕訳が必要な理由は上記となります

当期の費用、収益を正確に計上する必要性

企業は決算において当期に計上した収益から費用を差し引いて、それを利益として算出します

つまり、翌期分の費用の前払いをそのままにしておくと実際より多くの費用を払っていることになりますし、未払いの費用をそのままにしておくと実際より費用を少なく計上してしまうことになります

結果、当期の利益を正しく算出することができなくなります

当期の利益を正しく算出するために、費用と収益に関しても当期分を正確に計上する必要があります

まとめ

まとめ

費用と収益に関しては当期分のみを正確に計上するために決算整理仕訳が必要

苦手意識を持ちやすい費用、収益の決算整理仕訳ですが、その目的をちゃんと理解していれば特に迷うことなく仕訳を切ることができます

ただ暗記するのではなくその背景を理解することが簿記を学ぶ上ではとても重要です

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