- 株式会社と株主の関係
- 簿記の目的
- 簿記の流れ
この記事は、
これから簿記を学ぼうと考えている人
まだ簿記を学び始めたばかりの人
向けに作成しています
簿記の目的と流れを理解してもらうこととおおまかな全体像をイメージしてもらうために説明を簡略化している部分もありますので予めご了承ください
すでにある程度勉強を進めていてテキストや動画解説では用語や説明が難しいと感じられる方もぜひ一度この記事を読んでみてください
株式会社と株主の関係
簿記3級では株式会社での取引が問題として出題されます
そこでまずは株式会社と株主についてみていきましょう
株式会社とは
株式会社とは株主からの出資をもとに事業を展開している会社のことです
株式会社は株式を発行することで株主から資金を調達します
株主とは
株主とは株式を取得することで株式会社に出資する人のことです
株主は株式を取得することで株式会社に出資することができ、取得した株式の額に応じて配当を得たり経営権を得ることもできます
もし株式会社の経営がうまくいかず会社が倒産してしまえばその会社に出資している株主は損をしています
株主は株式会社に出資することでリターンと共にリスクも背負っているのです
では株主はどうやってその会社に出資するかどうかを判断しているのでしょうか?
次章では、株主の判断基準を説明していきます
株式会社と株主の関係
株主は自らどの株式会社に出資するかを選択することができます
その判断基準となるものの中に損益計算書や貸借対照表といった決算書があります
株主はこれらを見てその会社に出資するかどうかを判断するのです
簿記の目的
簿記の目的は、
日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにすること
にあります
- 日々の経営活動を記録・計算・整理 ▶︎仕訳
- 経営成績と財政状態を明らかにすること
▶決算書の作成
会社は決算書を確認することで今後の経営方針などを決定することができます
先程解説したとおり、株主はこれらを見てその会社に出資するかどうかを判断します
ですのでこの決算書を作成するための簿記の技能は株式会社にとっても株主にとっても重要なものとなります
簿記の流れ
簿記を学ぶ上では日々の取引から損益計算書や貸借対照表の作成までどのような流れで進んでいくのかを把握しておくことが重要です
多くのことを学ぶ上で、それぞれが点ではなく線となることで本当の理解に達します
それでは早速おおまかな簿記の流れを見ていきましょう
取引の発生
まず初めに取引の発生です
簿記での取引には様々なものがあります
例えば、商品売買や保険料の支払い、株式の発行などです
ここでは1番イメージしやすい商品売買を例に見てみましょう
例)
1個200円の商品を10個売る契約を結んだ
代金は月末に支払われることとなっている
これがひとつの取引となります
この後に代金の支払いといった取引もあるのですがここでは割愛します
取引を仕訳帳に記帳
取引を仕訳帳に記帳することを「仕訳を切る」や「仕訳を起こす」と言ったりします
通常、家計簿をつけるときは実際にお金の出入りがあった時に帳簿に記帳しますが簿記では契約を結んだ時点でその取引を仕訳帳に記帳します
例の場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
売掛金 | 2,000円 | 売上 | 2,000円 |
と記帳します
この取引から仕訳を切る問題が簿記試験での仕訳問題に当たります
仕訳帳から勘定科目ごとに総勘定元帳に転記
取引ごとに記帳していた仕訳を総勘定元帳に転記します
勘定科目とは例でいうと売掛金と売上がそれにあたります
取引ごとに記帳されていたものを勘定科目ごとにソートするイメージです
総勘定元帳から各勘定科目の残高を試算表に転記
総勘定元帳で仕訳を勘定科目ごとにソートすると、各勘定科目の合計を求めることができます
この合計(残高)を試算表に転記します
決算整理仕訳
決算とは一定期間の収入・支出を計算し、利益又は損失(損益)を算出することです
この決算時にのみ実施する仕訳というものがあります
これを決算整理仕訳と言います
減価償却や商品の棚卸しに関するものなどです
この決算整理仕訳も仕訳問題として出題されることが多いです
決算整理仕訳はなぜ決算時にしかやらないのか?
めんどくさいからです(多分)
日々の取引と共にこれらを毎回仕訳すると業務が煩雑となります
ですので決算時に1年分まとめてやろう といったイメージです
次にこの決算整理仕訳を先程作成した試算表に転記して、改めて各勘定科目の残高を計算します
最初作成した試算表のことを前TB、決算整理仕訳を反映させた試算表のことを後TBと言います
決算書の作成
最後に決算整理仕訳後の試算表(後TB)から決算書を作成します
簿記3級では損益計算書や貸借対照表を作成する問題が出題されます
この決算書を作成することが簿記の一連の流れのゴールとなります
まとめ
- 株式会社は株主からの出資によって事業を展開している
- 株主は株式会社に出資するかどうかをその会社の経営成績や財政状態を見て判断する
- 簿記の目的は会社の経営成績と財政状態を明らかにすること
- 簿記を学ぶ上では全体の流れを把握しておくことが重要
いかがでしたでしょうか?
簿記の全体像はイメージできましたでしょうか?
全体像をイメージすることで仕訳問題でも試算表の作成問題でも
今、自分が何をしているのかが理解できるようになります
これから学んでいくことを点で認識するのではなく、それぞれを線で結んでいくことが非常に大切です
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